マカロンの始まりはいつ? どこからきたの?
今回は、マカロンのルーツと歴史と文化について、まとめました。
物事なんでも、ルーツや歴史について学ぶと、それがもっと好きになるものですよね!
ってことで、この記事を読んで、
1人でも、マカロンをもっと好きになった人がいたらいいな!
と思います。
って事で、今回は世界史のお勉強です!
結論から先に言うと、
マカロン発祥説の世界的な常識としては、
こちら↓が正解かと思われます。
- 16世紀 カトリーヌ・ド・メディシスが、イタリアからフランスに渡り、その時、マカロンの原型となるアーモンドプードルと、卵白と、砂糖を使ったレシピを伝えて広まった。
マカロン発祥説はいろいろな説があるけど、カトリーヌ・ド・メディシスが発祥説が結論とする理由は、
僕もマカロンの本を、集められるだけ集めて、
たくさん読んだ結果と、世界のマカロンブランドのショップを調べた結果、
フランス各地の由緒ある伝統のマカロンを作ってるパティスリーが全て、
マカロン発祥のルーツは、カトリーヌ・ド・メディシスが発祥と公式サイトで公表しているからです。
とはいえ、今のようなカラフルで、クリームをサンドしたような
マカロンパリジャンのマカロンでは無く、
当時は、ひび割れて失敗したクッキーのようなマカロンでした。
イタリア(フィレンツェ公国)の富豪家だったメディチ家の
カトリーヌ・ド・メディシスが、
14歳の時にフランス王のアンリ2世に嫁いだ際に、
お菓子作りの職人を連れて、イタリアからフランスへ渡り、
マカロンの元祖となるレシピがフランスに伝わり、
カトリーヌ王妃がカトリック教徒だったこともあって
これを契機に、とある修道院を通じて
マカロンがフランス各地で作られるようになった。
というのが、よく知られている説です。
※注意:あすらんパパが描いたカトリーヌ・ド・メディシスの落書k…、いや、イメージ図です。(笑)
ラプ○ツェルじゃねぇしw
うるさい! イメージは大事w
うわぁあああああ
現実の画像をググるんじゃない!
ちなみに
フランス王のアンリ2世とカトリーヌ王妃の間には、
10人の子供を授かったそうですが、
カトリーヌは実は、それほど容姿に恵まれず、
アンリ2世が愛したのは、なんと教育係の愛人だったという・・・
アンリ2世閣下・・・、さすがですw
で、
16世紀にカトリーヌ・ド・メディシスによってフランスに持ち込まれた、
アーモンド、砂糖、卵白で作られたクッキーであるマカロンのレシピは、
ナンシー、アミアン、サンテミリオン、サンジャン・ド・リュズ など、多くの都市に
カトリックの修道院を通じて急速に広まりました。
マカロンの原型は?アマレッティとは?
ちなみに、
カトリーヌが持ち込んだ、マカロンの原型となるお菓子は、
イタリアのアマレッティというお菓子と言われています。
アマレッティは、マカロンと作り方が似ていて、
メレンゲのお菓子ですが、
小麦粉の代わりにアーモンドプードルを使用します。
マカロンが伝わった16世紀フランスって、どんな時代だったの?
16世紀のフランスの時代背景は、
プロテスタント(ユグノー)(人間は神様以外みんな同じ派)と、
カトリック(ローマ教皇の教会がトップ派)の
宗教対立のガチバトル中で、
ユグノー戦争(宗教対立戦争)が勃発し、
宗教対立が泥沼化してた時代でした。
カトリーヌ王妃はというと、
旦那のアンリ2世が槍が目に刺さって40歳で事故死で嘆いていたら、
長男のフランソワ2世がフランス王に即位したが、フランソワ2世は16歳で病気で死去し、
次は、次男坊のシャルル9世が10歳でフランス王に即位したが、政治なんてできるわけなく、
カトリーヌ王妃が実権を握るも、サン・バルテルミでプロテスタントの(数千人規模で)大量虐殺があったり、次男坊は23歳でなぜか死去するし、
そのあと4男のアンリ3世は、ギーズ公を暗殺した恨みを買って37歳で暗殺されるし
カトリーヌ王妃は、アンリ3世が暗殺される8か月前に病気で死去
とまぁ、
な、そんなフランス ガチバトル時代でした。(汗
マカロンブランドの発祥は、フランス革命中の1792年から!
16世紀のカトリーヌ・ド・メディシス王妃が伝えたマカロン文化は、
カトリック、プロテスタントの宗教対立と、ユグノー戦争という時代背景から
カトリックの修道院を通じて各地方に伝わり、
17世紀には、フランス各地でマカロン文化が流行りだし、
時は流れて約200年後のフランス革命時に、ターニングポイントを迎えます。
フランス革命(資本主義革命)で修道院が廃止に!
1792年5月から1794年10月まで、フランス革命の宗教改革で、
キリスト教は徹底的に弾圧され、
当時カトリック教会の聖職者たちは特権階級に属していましたが、
フランス革命勃発以来、聖職者追放と教会への略奪・破壊がなされ、
1793年11月には全国レベルでミサ(感謝の祭儀)の禁止と教会の閉鎖が実施され、
祭具類がことごとく没収されて造幣局に集められ、溶かされました。
こうして、由緒ある教会・修道院が破壊されるとともに、蔵書などの貴重な文化遺産が失われた。
17世紀からたくさんのマカロンが作られて、
既にマカロン文化と伝統を作ってきたフランスのマカロンですが、
フランス革命中の1792年 フランスで、修道院が取り壊されたことは、
フランスのマカロン文化にとって、一つのターニングポイントだったと思う。
フランス人のマインドが、民主主義に変わり、
この時、聖職者(シスター達)は、修道院を失ったことで、
ここで資本主義になったし、新しいビジネスとして、マカロンを作って売る!
というマインドになったのでしょうね。
フランス革命後
フランス各地で、マカロン・ド・ナンシーや、マカロン・ド・モンモリヨンなど
マカロンの新しいブランドがスタートしたマカロンが多いと思います。
なので、
フランスのマカロンブランドは、だいたい1792年、1793年以降に
フランス各地で、独自ブランドで、
マカロンのレシピとマインドが継承され、
今日までのざっくり150~200年間くらい
マカロンブランドの伝統を守り続けてきた!という
マカロンショップが多いのではないでしょうか?
まー、
それよりももっと古く、
17世紀からマカロンを作り続けてたブランドもありますけどね。
サンジャン・ド・リュズは17世紀から300年、変わらずマカロン作ってたし、
サン・テミリオンのマカロンは実は、13世紀から作ってた!という説もあります。
コムスリーはマカロンは8世紀からマカロン作ってた!という説もありますね。
このあたりは、本当かどうかは分からないけど、
マカロンの歴史は実は、めっちゃ古かった!ということですね!
マカロンの語源の発祥は?
マカロンという語源は、もともとは、イタリアのパスタのマカロニが発祥と言われています。
パスタのマカロニは、練った生地を切って作る食べ物を指す「マッケローニ」が語源で、
マッケローニ はイタリア語で、maccheroni(単数形はmaccherone)
英語だと、macaroni
というわけで、
マカロン(macaron)は、イタリアのマカロニから、生まれたそうです。
マカロンの種類 実は、いろいろなマカロンがある
- マカロン・ド・コルムリー
- マカロン・ド・サンテミリオン (マカロン・クラックレ)
- マカロン・ド・モンモリオン
- マカロン・ド・ナンシー
- マカロン・ド・ビアリッツ(MOUCHOU® & MACARONS)
- マカロン・ド・サンジャン・ド・リュズ
- マカロン・ド・アミアン(マカロン・ダミアン)
- マカロン・パリジャン
マカロン・ド・コルムリー
西暦781年 コルムリー修道院の修道士が、僧服を焦がして、へそを出していたことにヒントを得て、
中央に穴が開いたマカロンになったと言われています。
Aux Vrais Macarons de Cormeryさん
コムスリーでマカロンを作ってるのは2店舗あるようですね。
もう一店舗はこちら
マカロン・ド・サンテミリオン
サンテミリオンのマカロンは、日本では、13世紀には作られていたという説もありますが、
実は、これも、そのような情報は無く、
「1620年から受け継がれている」と公式サイトで公表されていますね!
このサンテミリオンのマカロンは、1620年に、ウルスリン修道院の修道士によってレシピが作られました。
サンテミリオンの街は、ワインの産地として有名で、マカロンはその次に有名だそうです。
マカロン・ド・モンモリヨン
モンモリヨンのマカロンは
1811年以降、有名になりました。
ラノウ・メティビエ社は、モンモリオンで最も古いマカロン工場です。
ここの150年以上変わらない伝統のマカロンの製法は、
同じ家系で5世代にわたり、同じノウハウと情熱を持って受け継がれているそうです。
メゾンラノウメティビエ社のサイトはこちら
ラノウメティビエ社がモンモリオンにオマージュ(過去の作り手へのリスペクト)として作ったマカロンショップはこちら
Museum Macaron(マカロンミュージアム)
モンモリオンのマカロンの特徴は、星型に絞られた独特の形状ですね!
マカロン・ド・ナンシー
マカロン・ド・ナンシー(Maison Des Soeurs Macarons)
マカロン・ド・ナンシーは、1792年、修道院廃止の時に、
2人のシスターがマカロンを作って売る商売を始めたことがきっかけでした。
なので、
スール・マカロン(Sœurs macaronsや、Macaron des Sœurs) という名前で呼ばれることがあります。
焼くときに敷く紙1枚に12個のマカロンが張り付いたまま売られています。
パッと見の印象
めちゃひび割れてるやん!
なんぼワシかて、これほどひび割れたマカロンを作ったことないw
と、思った人 はーい!
(ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい!
ところが、このひび割れたマカロンが正解
表面をカリッとしていますが、かみしめると
もっちり、ねっちりした独特の歯ごたえを感じるそうです。
マカロン・ド・ビアリッツ(MOUCHOU® & MACARONS)
マカロン・ド・ビアリッツは
フランスとスペインの境にまたがるバスク地方にあるビアリッツ
海が近くてきれいで、
有数のリゾート地になった村ですね。
マカロンに縦筋を入れた、Masion Parises(メゾン パリエス)
さんのマカロンが有名ですね!
マカロン・ド・ビアリッツ(MOUCHOU® & MACARONS)はメゾン パリエスさんの看板商品で
生地を絞り出したあと、3時間かけて
ゆっくり乾かす事でカリッとし焼き上げるそうです。
真ん中に1本の切り込みを入れて
薄いベージュ色に焼き上げるのが特徴だそうです。
マカロン・ド・サンジャン・ド・リュズ
Maison Adam(メゾン アダム)のマカロンは、
ビアリッツと近い、サン・ジャン・ド・リュズの唯一本物のマカロンという。
ここのマカロンの発祥は、なんと、1660年までさかのぼります。
300年間 受け継がれし、伝統のマカロン
その昔、サン・ジャン・ド・リュズで、
フランス王ルイ14世とマリー・テレーズ・ドートリッシュの結婚の際に、
献上したこのサンジャン・ド・リュズのマカロンを食べた
マリー・テレーズ(マリア テレサ)は、そのマカロンのうまさに超絶感激したという。
メゾン アダム のマカロンは、
3 世紀以上にわたって毎日手作りされており、
サンジャン・ド・リュズのマカロンには、
フランス王がビビるほどの
秘伝の本質が隠されています。
マカロン・ド・アミアン
アミアンは、フランスの北方、ピカルディ地方にある
パリから電車に乗り1時間ちょっとで着く街です。
フランスの3大大聖堂の1つアミアン大聖堂が有名ですね
大聖堂の周りにはたくさんのお菓子屋さんがあって、
1872年創業のジャン・トロヌー (Jean Trogneux)さんでは
円柱形のマカロン・ド・アミアン(Macaron d’Amiens)がアルミ箔に包まれて売られています。
このマカロンは、バレンシア産のアーモンドを使用しているようですね!
バレンシアのアーモンドは16世紀にスペインを侵略したときに輸入されたものだそうです。
アミアンのマカロンは円柱型で、
マカロンのレシピは、バレンシア産の アーモンド、砂糖、蜂蜜、卵白、スイート アーモンド オイル、ビター アーモンド (防腐剤や着色料なし) を使用し、
ハチミツを加えることでつく、しっかりとした焼き色と
クッキーのような見た目とは違う、中身はネッチリした歯ごたえがあるのが特徴だそうです。
マカロン・パリジャン
最後に、私たちが、普段いつも食べている
マカロンパリジャンですね!
日本では、ピエールエルメが圧倒的に有名ですが、
マカロンパリジャンが出てきたのは、と言われています。
マカロンコックを2つ合わせて、中身にクリームを挟んだのは、
20世紀中盤のラデュレが発祥と言われていますが、
そもそも、現在のマカロンコックのマカロンリス(表面がツルっとしているマカロン)を作ったのは、
1832年、老舗「ダロワイヨ」が
現存しているマカロンの原形とも言われています。
マカロン パリジャンの歴史 まとめ
- マカロンを伝えたのは、イタリアからカトリーヌ・ド・メディシスが、マカロンの原型となるレシピを伝えた
- 16世紀のフランスは宗教戦争(ユグノー戦争)が泥沼化していて、カトリック修道院を通じてマカロンのレシピが伝わった
- フランス革命中の1792年に修道院が廃止されて、シスターがマカロンを売るようになったことがマカロンブランドの始まり
- フランスにはいろいろなマカロンの種類がある
- コルムリー、サンテミリオン、ナンシー、ビアリッツ、サンジャン・ド・リュズ、アミアン などのマカロンが有名
- 今、私たちが一般的に食べているマカロンは、マカロンパリジャン
マカロンの歴史から学んで重要なことは何か?
一番大事な事はさ、
マカロン作って、失敗した!
と思って、落ち込むことじゃなくて、
これ、マカロン・ド・ナンシーみたいじゃね?(笑)
そういうマカロンがあってもいいんだ!
って思うことだと思うんだよね~。
理想のマカロンを作りたい気持ちは大事だけど、
そう思うと、ひび割れていようが、ピエが出なかろうが、ネチっとしていようが、
それは、それでいいじゃないか!
と思います。
- ひび割れたから失敗ではないということ
- ピエが出なくても、昔はピエなんてなかった
- マカロンは見た目だけで判断してはならない
- 何世紀も受け継いできた、作った人の気持ちや230年変わらない文化やマインドは重要
- 本来のマカロンがどういうものなのかを知ることも大事
物事の本質を見極めることは大事ですね。
また、古き良きを愛する心(マインド)が素晴らしいと思うよ。